「……やっと着いた」 乗合馬車を乗り継いで三日。 ようやく目的地にたどり着いた青年は、暗い灰色の髪を掻きあげて息をついた。 「懐かしいな、二年ぶりか」 大きく息を吸い込めば潮の香りがする。 青年は目を眇めて、向こうに見える海を見つめた。 あの日も…
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