幕間 1
――お兄様はアカデミーの通常課程を主席で終えられたのですって。将来はきっと、国の中枢でご活躍になるのでしょうね。
はい、僕も兄を尊敬しています。
――魔法省の長官に最年少で就任した才女、って君の姉君らしいね。どんなお人なんだい?
姉は素晴らしい才能の持ち主ですよ。
――ご両親も魔導具開発の界隈では有名な方々だが、ご子息ご息女はそれ以上だ。さぞ鼻が高いだろう。
僕にとっても自慢の兄姉です。
家族の誰もが才能溢れる人々だった。
僕もきっと――
そんな風に明るく未来を見つめていられたのは、一体いつ頃までの話だっただろう。
「…………」
その少年は、前方を楽しげに歩く三人の少年たちを暗い目で見つめていた。
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